明治末から大正時代にかけての市電事業で建設された橋梁の図面が大阪市建設局橋梁課に大量に残されていた。これらの橋は大阪市交通局の前身である電気局が建設したもので、その後、市電線路が撤去され、車道化が進められる中で、土木局(建設局)へ引き継がれたものである。また、青図綴りが交通局に存在し、一部の図面が大阪市公文書館に保存されていた。これらの図面の存在を現代の人々に知ってもらうため関西道路研究会の中に研究会を立ち上げ図面の整理を行うとともに構造やデザインの特徴などについて調査を進めてきた。原図は861枚に及び、第1期線の築港線から期外線に至るまで、路線数約30、約70橋分の図面が確認された。青図は455枚、50橋分が残されており、内6橋は青図のみが残っている。なお、公文書館所蔵の図面の電子化は原図、青図にない信濃橋のみにとどめた。
以上の研究成果は、関西道路研究会が2018年3月に『大阪市の市電事業で建設された橋梁図面の調査報告書』として公表しているが、この度、報告書の中から収集整理した図面を所蔵者である大阪市建設局、報告書作成者である関西道路研究会から承諾を得て、本デジタルアーカイブスに転載・公開するものである。
2019年2月 土木学会附属土木図書館
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